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本当に日本の住宅は短命なんでしょうか?

  • katoken3
  • 2023年1月26日
  • 読了時間: 3分

■ネットでデーターを調べてみました。

「住宅・土地統計調査」のデータを暦年に平準化して、住宅着工統計のデータと組み合わせて計算できる過去のサイクル年数を調べた方のデーターです。

1950年:54.3年(住宅総数1471万/着工数27.1万戸。以下同じ)

1960年:42.4年(1919万/45.3万)

1970年:18.6年(2778万/149.1万)

1980年:30.2年(3671万/121.4万)

1990年:26.2年(4356万/166.5万)

2000年:42.6年(5170万/121.3万)

2010年:71.8年(5880万/81.9万)

2018年:65.5年(6241万/95.3万)

これを見ると、サイクル年数は1950年から1970年まで減少傾向にあったが、1980年代に入ると再び延びる傾向にあることが分かる。

これの意味することは。

1960年ごろまでは、日本はまだ戦後復興の過程にあり、必要な住宅すべてを新築できるほどの余力がなかったため、サイクル年数が40年以上と長かったと考えられる。

その後、高度成長期に入ると住宅着工は急増し、サイクル年数が短くなっていった。

ちなみに最も短かったのは1972年の16.1年である。

オイルショックで高度成長が終わるとサイクル年数は少し延びるが、1996年までは30年程度で推移してきた。

しかし1997年以降、サイクル年数は延び続け、現在では60年を超えるようになっている。

くしくも、「日本の住宅寿命30年説」の初出と思われる建設白書が発行された1996年から、日本の住宅寿命は約30年を超えて急激に長期化し始めたことになる。


このデーターを見ると現在の耐用年数は約60年ですね。

二世代が暮らせるくらいでしょうか。


耐用年数を考えると法定耐用年数というのがあります。

減価償却などの計算用であり、住宅ローン審査でも用いられる計算用の数字ということになります。

住宅の寿命とは、全く関係のない数字となるのですが、しかしこの22年という年数が独り歩きしています。


■短命だと言われている理由とは


①「旧耐震」と「新耐震」地震に対する建物の性能

「新耐震」とは、1981年の建築基準法改正により定められた新たな耐震基準のこと。

1978年の宮城県沖地震を受け、大きな見直しが図られた。

新しい基準に対応した住宅は、通称「新耐震」と呼ばれ、それ以前の建物は「旧耐震」として区別され急速に市場での商品価値を失っていった。

旧耐震の建物は現在の水準みると耐震的に劣るので国も補助金を出して耐震改修することを勧めています。

②質よりも価格重視の住宅

ハウスメーカーと言われる日本独自の新築住宅を建てるシステム。

HMのスクラップアンドビルドの考え方を変え、短命住宅を作らず長期優良住宅の100年使える住宅を作らないと時代にそぐわない。


③間取りの変化とエアコンの普及

畳から椅子への変化は、間取りの取り方として大きな変化です。

また、大きな生活様式の変化としてのエアコンの普及は、建物構造やサッシなどに大きな影響を及ぼしています。

もともと日本の家屋は、約700年前の「徒然草」で兼好法師が「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」と述べているように、気密性や断熱性を全く考慮して

いなかった。


以上の理由だけではないと思いますが大きな影響を与えていると思います。


結果としてはけして短命ではないが、これからの時代は建物の健康寿命を60年から100年にしたいですね。

その為には適正なメンテナンスをしないとなりません。

単なる維持管理計画ではなく建材・設備の耐用年数を考えた市民板「家の診断書・建物診断書」が必要だと思います。


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